OEMの車について知っておくべきこと:選び方とメリット・デメリット
- carweskia
- 4月3日
- 読了時間: 11分
最近は自動車業界でも「OEM車」と呼ばれる、他社製の車両を自社ブランドで販売する手法が広く行われるようになってきました。OEM車には様々なメリットがあり、多くの消費者にとって魅力的な選択肢となっています。本ブログでは、OEM車の仕組みや具体例、メリットやデメリットなどについて詳しく解説しています。自動車選びの際の参考にしていただければ幸いです。
1. OEM車って何?基本的な仕組みを解説

OEM車とは、「Original Equipment Manufacturer」の略称であり、他社が開発・製造した自動車を、自社ブランドで販売する仕組みを示します。この仕組みは自動車業界だけでなく、家電製品や食品業界など、さまざまな分野でも広く使われています。
OEMの基本的なメカニズム
OEM車の仕組みは非常にシンプルです。以下のようなプロセスで進行します:
委託契約:ある自動車メーカー(メーカーA)が他のメーカー(メーカーB)に、自社ブランドの車を製造してもらう契約を結びます。
製造と設計:メーカーBは、メーカーAの要望に基づいて車を設計・製造します。この間、必要に応じてデザインや仕様を調整することがあります。
販売:製造された車はメーカーAのブランド名で市場に出されます。この時、エンブレムや車の外装デザインは異なることがありますが、基本的なメカニズムや機能は同じです。
OEM車の特徴
OEM車の特徴には、以下のような点が挙げられます:
コスト効率:OEM車は、製造元のブランドによるコスト削減が見込まれ、多くの場合、オリジナル車よりも価格が安いことが多いです。
ラインナップ拡充:販売メーカーは、OEM車を取り入れることで自社のラインナップを強化することができます。これにより、より多様な車種を提供することが可能になります。
リスク分散:自社開発の車両のみならず、他社製の車両を扱うことで、販売のリスクを分散させることができます。
OEM車の具体例
OEM車の具体例を挙げると、トヨタの「ライズ」とダイハツの「ロッキー」があります。両者は同じプラットフォームを共有しながらも、外観のデザインや内装の一部が異なるため、ブランドごとの特色を感じることができます。しかし、基本的な性能や機能はほぼ同じです。
最後に
OEM車は、自動車メーカー間の協力関係を通じて、販売戦略として利用されている重要な手段です。この仕組みを理解することで、自分に合った車を選ぶ際の参考になるでしょう。
2. 実例で見る!有名なOEM車の組み合わせ
OEMの車については、異なる自動車メーカーが協力して生産することにより、外観が似ている車両が数多く存在します。ここでは、日本での代表的なOEM車のペアをいくつか取り上げてみましょう。
トヨタとダイハツのOEM車
トヨタとダイハツは非常に密接なパートナーシップを築いており、その結果、多様なOEM車が市場に出回っています。以下はその一例です。
トヨタ・パッソ ← ダイハツ・ブーン
トヨタ・ライズ ← ダイハツ・ロッキー
トヨタ・ピクシスエポック ← ダイハツ・ミライース
これらの車は見た目にはほとんど違いがなく、エンブレムや一部の装備が異なるだけです。この点が消費者の選択において重要な要素となっています。
日産とスズキのOEM車
日産もOEM戦略を活用しており、特にスズキから供給されている車種がいくつか存在します。
日産・NV100クリッパー ← スズキ・エブリイ
日産・ランディ ← スズキ・セレナ
日産は、特に軽商用車や小型トラックにOEM車を取り入れることで、販売力を強化しています。
三菱とスズキのOEM車
三菱も軽自動車セグメントにおいてOEM車を積極的に提供しています。代表的な組み合わせは以下の通りです。
三菱・デリカD:2 ← スズキ・ソリオ
三菱・ミニキャブバン ← スズキ・エブリイ
このように、三菱は他社の技術を取り入れることで、より豊富な車種ラインナップを実現しています。
マツダとスズキのOEM車
マツダもOEM車を自社のラインナップに加えています。以下はその具体的な例です。
マツダ・フレア ← スズキ・ワゴンR
マツダ・スクラムワゴン ← スズキ・エブリイワゴン
マツダのOEM車は、特に軽自動車や商用車のカテゴリーで数多く見受けられます。
スバルとダイハツのOEM車
スバルもダイハツから多数のOEM車を供給されています。特に軽自動車において関係が深いです。
スバル・ステラ ← ダイハツ・ムーヴ
スバル・シフォン ← ダイハツ・タント
これらのOEM車は、スバルの独自のブランド価値を持ちながらも、ダイハツの技術的な利点を採用しています。
これらの実例を通じて、OEM車は自動車業界の中で非常に重要な位置を占めていることがわかります。異なるデザインや販売戦略を持つメーカーもありますが、基本的な構造や性能は共通していることが多いのが特徴です。興味のある方は、ぜひこれらのOEM車をチェックしてみてください。
3. OEM車を選ぶメリット:お得に車を手に入れるコツ
OEMの車について考えると、多くの購入者にとって非常に魅力的な選択肢であることがわかります。ここでは、OEM車を選ぶ際の主な利点について詳しく紹介します。
コストパフォーマンスの良さ
OEMの車について特に注目すべき点の一つは、抜群のコストパフォーマンスです。OEM車は通常、オリジナルのモデルに比べて価格がリーズナブルに設定されています。その背景には、OEMブランドの知名度がオリジナルブランドに比べて低いためという理由があります。この特性により、消費者は同等の性能を持つOEMの車について以下のような利点を享受できます:
同等の性能保持:OEM車はオリジナルと同様の機能を備えているため、コストを抑えながらも高品質の車を手に入れることが可能です。
豊富なディスカウント:ディーラーはOEM車の販促に力を入れるため、大きな割引を提供すること
がよくあり、よりお得に購入できるチャンスがあります。
納期が短い
OEM車のもう一つの大きな利点は、納期が短いことです。人気のあるオリジナルモデルと違い、OEM自動車は安定した生産体制が整っており、迅速に入手できることが多いです。
迅速な納車:オリジナルの車両が長い納期を要する場合がありますが、OEM車は通常、短期間で手に入ることが多いです。
豊富な在庫:需要が比較的少ないため、実際に多くのディーラーがOEM車を豊富に在庫しており、すぐに購入できるケースが一般的です。
選択肢が広がる
OEMの車については、選択肢が多様である点も魅力的です。同じタイプの車でも様々なブランドで異なる仕様やデザインが展開されているため、自分の好みや必要に応じた選択ができます。
多様なデザイン:例えば、トヨタとダイハツのOEMモデルは、それぞれ異なるスタイルを持ちながらも、基本的な性能は揃っているため、比較して選ぶ楽しさがあります。
異なるオプション:OEMの車両は、オリジナルモデルとは異なる装備や機能が用意されているため、特定のニーズに最適な選択肢を見つけやすいです。
まとめて学ぶOEM車の利点
OEMの車については、優れたコストパフォーマンス、短い納期、豊富な選択肢など、多くの購入者に寄与するメリットが揃っています。特に、限られた予算で高品質な車両を手に入れたい方々にとって、OEM車は非常に理想的な選択肢となるでしょう。OEM車を検討することで、ライフスタイルにあった魅力的な車を見つける楽しみが増えるはずです。
4. 知っておきたいOEM車のデメリット
OEMの車はその多くの利点から選ばれることが多いですが、購入を検討する際にはデメリットについても正しく理解しておくことが大切です。ここでは、OEM車に関する主なデメリットを詳しく解説します。
リセールバリューの低さ
OEM車の一つの大きな欠点は、リセールバリューの低さです。オリジナルブランドの車と比較すると、中古市場での取引価格は一般的に低くなる傾向があります。これにはいくつかの理由があります。
市場での需要の低下: OEM車はオリジナルデザインの模倣であるため、中古市場では人気が落ちがちです。
ブランド価値の違い: オリジナルの車にはそのブランドに対する信頼や価値が伴っていますが、OEM車はこの点において劣ることが多く、需要が限られます。
買取価格が低め: 中古市場での評価が低いため、買取価格が一般的に低くなることが多いです。たとえば、OEM車は同じクラスのオリジナル車両と比べて数万円から数十万円安く取引されることがよくあります。
外観や個性の欠如
OEM車に対するもう一つの懸念は、独自性や魅力の不足です。次の点が関係しています。
外観の似通い: OEM車はオリジナル車両とほぼ同じ機能を持っていますが、エンブレムやデザインが異なるため、他の車両と差別化が難しいと感じることが多いです。
個性的なデザインの不足: 自分だけのユニークな車を求める方にとって、OEM車はあまり心惹かれる存在ではないことが多いです。
カスタマイズの選択肢が限られる
OEM車にはカスタマイズの選択肢が少ないというデメリットも存在します。その理由は以下の通りです。
オプションの制約: OEM車は、特定のモデルに基づいているため、オプションパーツやアクセサリーを選ぶ幅が狭く、個々の好みに合わせることが難しいです。
色の選択肢の狭さ: 車のカラーに関しても、モデルによっては選べる色が限られており、人気の色が選べないこともあります。
これらの点を考慮することで、OEM車を選ぶ際の注意すべきポイントをしっかり理解することができます。リセールバリューや車の個性、カスタマイズの可能性を重視して、じっくりと選択を行うことが重要です。
5. メーカー別で比較!人気のOEM車をチェック
OEM車は不同のメーカーが共同で生産したり、一社が他社の技術やデザインを借用して販売するもので、実に多様な選択肢があります。本セクションでは、日本の自動車メーカーごとに人気のOEM車をチェックしてみましょう。
トヨタのOEM車
トヨタは国内外で多様なOEM車を展開しています。特にダイハツから供給されている軽自動車や小型車は人気があります。以下はトヨタの主なOEMモデルです。
パッソ(ダイハツブーンをベース)
ルーミー(ダイハツトールをベース)
ライズ(ダイハツロッキーをベース)
これらのモデルは、価格帯が手ごろで、デザイン性も高く、都市部での使用に非常に人気があります。
日産のOEM車
日産もOEM車に力を入れており、スズキから供給されている軽商用車や小型トラックは特に需要があります。以下が日産の主なOEM車です。
NV100クリッパー(スズキエブリィをベース)
NT100クリッパー(スズキキャリィをベース)
これらのモデルは実用性が高く、業務用に適した設計になっています。
マツダのOEM車
マツダは現在、特に軽自動車や商用車のOEM車が豊富です。スズキのモデルを基にした商品が多く、その一例が以下です。
フレア(スズキワゴンRをベース)
スクラムワゴン(スズキエブリィから派生)
これらは走行性能やデザインにおいても評判が良く、日常使いにも適しています。
スズキのOEM車
スズキは軽自動車のブランドとして名高く、他社へのOEM供給も行っています。特に日産との関係が強く、以下のような車種があります。
ランディ(日産セレナをベース)
スズキは利用しやすさと経済性を兼ね備えた車づくりをしており、消費者に人気です。
三菱とダイハツのOEM車
三菱は軽バンや小型商用車にスズキのOEM車を多く扱っています。ダイハツもOEM車の供給に関与しており、例えば、以下のモデルが挙げられます。
デリカD:2(スズキソリオを基に)
アルティス(トヨタカムリをベース)
これらのOEM車はそれぞれのメーカーの特長を活かしつつ、お手頃な価格で提供されています。
このように、国産メーカー間でのOEM車の販売は、消費者に多様な選択肢を提供しています。各メーカーの特長を理解し、自分に合ったOEM車を見つけてみるのも良いでしょう。
まとめ
OEM車は、自動車メーカー間の協力関係を反映した車種であり、多くの利点を持っています。リーズナブルな価格、短い納期、幅広い選択肢など、消費者にとって魅力的な特徴が揃っています。一方で、リセールバリューの低さやカスタマイズの制限など、デメリットも存在します。OEM車を検討する際は、自分のニーズと予算に合わせて、メーカー間の違いや個性を比較しながら、最適な1台を見つけることが大切です。OEM車はコストパフォーマンスに優れたオプションの1つですので、ぜひ候補に入れて検討してみましょう。
よくある質問
OEM車とは何ですか?
OEM車とは、「Original Equipment Manufacturer」の略称で、他社が開発・製造した自動車を、自社ブランドで販売する仕組みを指します。自動車業界だけでなく、様々な分野で広く利用されています。
OEM車を選ぶメリットは何ですか?
OEM車の主なメリットは、優れたコストパフォーマンス、短い納期、豊富な選択肢です。限られた予算で高品質な車を手に入れられる点が特に魅力的です。
OEM車にはどのようなデメリットがありますか?
OEM車のデメリットとしては、リセールバリューの低さ、独自性やカスタマイズ性の欠如などが指摘されます。中古市場での評価が低く、他車との差別化が難しいといった点に注意が必要です。
どのメーカーのOEM車が人気ですか?
トヨタ、日産、マツダ、スズキ、三菱などの各メーカーが、様々なOEM車を展開しています。軽自動車や小型車、商用車などで、メーカー間の協力関係が見られます。
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